なんでもそうですが″本物は目にはなかなか見えない″ものなのですね。
完成までの流れ

私達の第一の要望は「お化粧はどうでも良いから、基礎と躯体工事にはお金をかけてください。」ということでした。木の代弁者のような棟梁はその要望通りに応えてくださり、色々な技が施されています。でも残念なことにこのすばらしい匠の技は、壁におおわれて見ることができません。なんでもそうですが″本物は目にはなかなか見えない″ものなのですね。一番見ていただきたいものは大事にしまってあるということになりました。
  ″出会うべくして出会った″というよりほかない御縁で成岡さんに巡り合えたことは、私達夫婦にとって本当に幸運なことでした。木の魂を媒体にして、木を知り尽くした棟梁及び職人さん達と私達夫婦の出会いは成立しました。      林原邸完成
   HYSBR-2000- 

私達の家造りのコンセプトは「光と風」です。これは皆様がご覧のとおり、120%満足のいくものになりました。以前の我家に遊びにいらしていた方は、同じ敷地に建てるのに、こうも違うものかと吃驚されることと思います。設計者でもあり監督でもある成岡さん(息子さん)は、私達の考えを十二分に理解され冬は暖かい光に満ち、夏は涼しい風の抜ける自然体の家になりました。

技を持つ職人さん達が腕をふるう場所が少なくなっていることを憂えずにはいられません。できるだけ多くの人達に、まだまだこのような素晴らしい職人さん達が健在なのだということを知って頂きたくて、このような原稿を書くことにしました。皆さん、どうぞじっくり匠の技を御堪能くださいませ。
施主 林原一成・千晶

@水盛・遣方-家の正確な位置決め


A基礎工事-玉石転圧
私共の注目していただきたいもののひとつが家の基礎部分です。施工時にしっかりとした地固めを念入りにしたうえで、鉄筋入りの基礎工事をすることにより耐久性の優れた建物を支えることができます。

B鉄筋入れ


C基礎完了
 

良い棟梁の下には良い職人さんが集まってきます。その素晴しい技と誠実な仕事ぶりを、とくと拝見させて頂いたこの五ヶ月間は長いようで短い、楽しい五ヶ月間でした。そして学ぶことの多い五ヶ月間でした。

そして最後の要望は「呼吸する家」です。桧をふんだんに使い、又長い時間を過す和室、寝室、書斎は京入洛の塗り壁で、今は静岡にも数少なくなった左官屋さんの技が塗り込まれています。

D上棟-1日で家の骨組みが組み上がります。

H木工事-長い歴史の中で生み出された軸組工法は2000年以上経った今日でも私達日本人の住まいの主流です。湿度の高い日本では人間同様、家も呼吸しています。木材は加工しても生き続け室内の湿度が高くなれば湿気を吸い、低くなれば放出して、常に室内湿度を一定に保つ性質があります。木材を多く使用した住まいは大気中の湿度を自然に調整し、人の体にやさしい空間をつくってくれます。

J根太-床板の下地桟
私共では根太に芯持を使用しています。1本の山木から1本しかとれません。


L内装工事-昔は材料が貴重だったので、材料を切り回し、無駄なく使うことも大工の腕のひとつでした。現在にも通じることだと思います。
 
E上棟7日後

I小屋組


K断熱材-床断熱

M畳下地-杉正五分板
1Fの畳下板はコンパネではなく無垢の杉の板を使用、地面からの湿気を適度に吸収します。


N完成 シンプルで上品に造ることで飽きのこない、長く住み続けられる住まいとなります。また貴方のコーディネーションによって、貴方らしい顔をのぞかせてくれるはずです。光と風のハーモニーが奏でられる生活空間は貴方のメインフェイスとなるでしょう。


F外装工事-外壁に求められる条件とは、雨風・暑寒などから大切な住まいを守ることはもちろん、いつまでも品質や美しさを維持し、優れた耐久性を兼ね備えることも新しい外装材に求められる条件です。


G外観完了
 
 
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